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コラム#103 やるべきことは?体験事例から学ぶ、空室の多い状況からのスタート

筆者

高桑 良充

KAIROS MARKETING LTD. CEO

空室リスクに苦しんだHさんの体験談

区分マンションに比べると、一棟マンションは空室リスクを抑えられるという点が有利です。しかし、一棟マンションでも空室リスクに悩んでいるオーナーもいます。ここで紹介するHさんも、その一人です。
初めてのマンション投資で、Hさんが選んだのは新築の一棟マンションでした。戸数は全部で20室。最初のころは18室が埋まり、上々の滑り出しに、いい物件を購入できたとHさんは喜んでいました。

ところが2年以上が経過し、初めての更新を迎えるころ、退去者が増え始めます。気が付くと入居しているのは10室。半分が非稼働の状態です。
いったい、何が問題なのか。Hさんは現場へ足を運びました。

2年以上、物件に行ったことがなかった

Hさんが物件に行ったのは、購入前、不動産会社に案内されたとき以来2年ぶり。入居スタートから一度も足を運んだことがなく、管理会社にすべて任せきりでした。
しかも、物件の最寄り駅に行くのは今回が初めて。というのも、物件選びの際は不動産会社の車に乗って回ったので、駅の様子を確認することもなかったのです。

初めて降り立つ最寄駅。平日の午後で、駅は閑散としていました。バス乗り場もありますが、1時間に1本。タクシーもいません。
仕方なく歩いて行くことにしたのですが…すごく遠い。10分歩いてもまだ半分。しかも急な坂道が続きます。車に乗って来たときは、まったく気にも留めていませんでした。
20分以上かけて、ようやく到着します。2年前に来たときは、マンションの近くにコンビニがあったのですが、いつの間にか閉店していました。

管理会社を変えたものの空室数は変わらず

さっそく階段など共有部をチェックすることに。階段部には蜘蛛の巣がはって虫が捕まっていたり、エントランスの裏にはビニール袋のゴミが置きっぱなしになっていたり、いったいどんな管理をしているんだ?と、管理会社に対して怒りがこみ上げてきます。
その帰りに管理会社へ足を向けいろいろ催促。ついには管理会社を変更しました。
その後、Hさんもたびたび物件へ足を運びチェックするようになりましたが、空室数はほとんど変わりません。原因は管理だけじゃなくて立地なんだと、マンション投資の基本を改めて噛み締めたのでした。

立地の見極めが極めて重要

この情報だけでは判断できない部分もありますが、まずこのエリアは車社会なのか?電車社会なのか?というところがあります。
恐らく最初の段階では新築プレミアがあり、入居数もあったけども、時が経つにつれプレミアは薄れ、立地の弱さが浮き彫りになってきたのではないかと思います。
車で何かしらの産業の中心地に行きやすい環境であれば、駐車場の併設で空室が埋まる可能性もあります。
電車社会の場合は立地はどうにも変えようがありません。購入後に気付いたのであれば、売却や戦略の変更を検討すべきです。

購入前に考えておくべき構想

今回の件は、当初の確認不足が一番の原因ですが、新築一棟マンションという高い買い物だからこそ、失敗しないために集めておくべき内容をまとめておきましょう。

10年後、20年後の家賃下落のシュミレーション
新築や築浅と言われる物件は必ず家賃の下落が発生します。
物件の経年劣化も進みますし、これは避けられません。
もし同エリア内に、同じ間取りタイプ、同じ平米数で築年数が20年以上の物件があるようでしたら、その賃料の平均を出してみるといいでしょう
それが、あなたの物件の20年後の家賃と思ってシュミレーションをした方がいいです。
もしこれを怠れば、物件の設備や築年数での勝負が出来なくなり、価格を下げざるを得なくなった際、ギチギチの夢物語キャッシュフローを組んでいた場合、下げたくても下げられないというケースになりかねません。

・商圏の見極め
今回のケースでのほとんど立地の確認をしていなかったのは、非常に危険です。
最寄り駅をどれくらいの人が利用しているかは、賃貸需要を見る上で非常に重要なファクターです。
そして周りにまとまった商圏があるかどうかもチェックしておきましょう。
私の持論として、1つに依存した投資は危険という考えがあります。
総合大学が1つ近くにある。大企業の工場がある。というのは、移転などの危険性をはらんでいます。
ビジネス街や学生街といったまとまって賃貸ニーズを見込める商圏が近くにあれば、1社、1大学の移転等が大きく影響はしないでしょう。

カイロスマーケティングでは不動産投資のご相談を受け付けております。
投資に対してお持ちの不安や疑問を、私たちと一緒に解決していきましょう。

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