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コラム#127 入居率95%のはずが、実は82.7%だった?!不動産投資コンサルティングの視座があぶり出す、不都合な真実

筆者

高桑 良充

KAIROS MARKETING LTD. CEO

アフターコロナを見据えた株価は緩やかに上昇トレンドを維持、コストプッシュによるインフレが拡大しながらも、賃金上昇の傾向はまだまだ見られない現在の日本。
そんなご時勢において、「インフレに強い資産」と呼ばれることも多い不動産投資ではありますが、では誰でも成功できるか、と言えば、もちろんそんなことはありません。
とくに、甘い惹句に吸い寄せられやすい方にとっては、むしろリスクとなってしまう場合もあるのです。

実は3種類もある、「入居率」

不動産投資の広告によく見られる「高い入居率」なんてキーワードも、まさに注意すべき誘い文句の一つ。
そもそも、入居率とは「アパートやマンションの全部屋数に対して、入居状態にある部屋の割合」のことですが、厳密には入居率には3種類あります。

1. 「時点」ベースの入居率

時点」ベースの入居率とは、その名の通り、「ある時点」つまり「ある瞬間」の入居率のこと。
<時点ベース入居率=入居戸数÷全管理戸数>
なので、全管理戸数1,000戸のマンションのうち、50戸が空室だったとすると、

1,000戸-50戸)÷1,000戸=95%になりますが、当たり前ではありますが、この計算式の場合、入居率は「時点」ごとに毎日変動します。

2. 「稼働」ベースの入居率

「稼働」ベースの入居率とは、「ある瞬間」ではなく、年間を通した稼働率を軸足とした入居率のこと。
<稼働ベース入居率=(全管理戸数×12ヶ月-総空室月数)÷(全管理戸数×12ヶ月)>
なので、全管理戸数10戸のマンションのうち、2戸の解約があり、空室期間がそれぞれ3ヶ月と6ヶ月だったとすると、
(120ヶ月-9ヶ月)÷120ヶ月=92.5%
マンションが「実際にどれだけ働いてくれたか」、本当の「稼働」が分かります。

3.「想定賃料」ベースの入居率

「想定賃料」ベースの入居率とは、2.と同様に「稼働」ベースを「賃料」で見た場合の入居率のこと。

<想定賃料ベース入居率=(総潜在賃料-総空室損料)÷総潜在賃料>

先の全管理戸数10戸のマンションが、
住居:9戸は家賃がすべて50,000円、テナント:1戸は200,000円だったとすると、満室の場合の年間賃料(総潜在賃料)は
50,000円×9戸×12ヶ月=5,400,000円
200,000円×1戸×12ヶ月=2,400,000円
合計で7,800,000円

そのうち、住居1戸、テナント1戸が空室だったが、住居は3ヶ月、テナントは6ヶ月で埋まった場合

空室損料は

50,000円×3ヶ月=150,000円
200,000円×6ヶ月=1,200,000円
合計で1,350,000円
したがって、
(7,800,000円-1,350,000円)÷7,800,000円=82.7%
マンションが「実際にどれだけ稼いでくれたか」、本当の「稼ぎ」が分かります。

本質的な「入居率」に意識的ではない管理会社が多い、という現実

では、不動産投資にとって、もっとも重要な入居率はどちらでしょう?
もちろん言うまでもなく、2.の「稼働」ベースであり、3.の「想定賃料」ベースの入居率であるはずです。
ところが、マンションの管理を手掛ける管理会社は数あれど、この入居率の違いに意識的である会社は、意外なほど少ないのが現実です。

この例一つをとってみても、不動産投資には、不動産を資産として適正に管理、運用するプロパティ・マネジメントの観点から、適正な家賃設定をおこない、事業として綿密な計画を策定、マネジメント、そう、コンサルティングする必要があるのです。

カイロスマーケティングでは不動産投資のご相談を受け付けております。
投資に対してお持ちの不安や疑問を、私たちと一緒に解決していきましょう。

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