不動産投資をする前に
不動産投資の中でも人気の「区分マンション投資」と「一棟投資」。
部屋単位で購入する「区分マンション投資」は始めやすい、マンションやアパートごと購入する「一棟投資」は収益が大きい、などありますが、やはりどちらにもメリット・デメリットが存在します。どちらにしようか検討されている方は是非参考にしてみてください。
「区分」のメリットとデメリット
○メリット
✓ 費用が小額
一棟購入する場合よりも小額で投資を始めることが出来ます。価格帯としては300万円~4,000万程度が多いです。
また融資は比較的受けやすいといえます。
✓ 売却するときに買い手を見つけ易い
一棟丸ごとよりも一部屋単位のほうが小額のため流動性が高く、買い手を見つけやすいです。
✓ 節税効果
建物の減価償却が取れるので、物件によっては節税効果があるといわれています。
✓ 保険機能
区分マンション投資の場合、ほとんどローンに「団体信用生命保険」が組み込まれています。投資家自身に、重度障害以上の状態になってしまった場合、負債がなくなり、収益と資産が残ります。
◯デメリット
✓ 利回りが低い
区分マンション投資は、不動産投資の中でも、価格が手ごろで取り扱う銀行が多い、最もポピュラーな不動産投資です。
価格が上昇しがちで、その結果、利回りが低くなり十分な収益を獲得できない物件が多いのも事実です。
首都圏の場合、表面利回り3%から6%未満が圧倒的に多いです。
✓ 空室の際の賃料収入ゼロリスク
例えば一棟で20部屋あるマンションを所有している場合、1部屋空室は収入が5%程度の減少で済みますが、1部屋のみ所有している場合には100%の減少、つまり収入はゼロになってしまいます。
✓ 条件面などの細かい変更が難しい
他のオーナーとの兼ね合いで、リフォームや入居条件の緩和(ペット可にするなど)が簡単にできません。
また、マンションの共用部分や全体についても自分の意思で変更はできません。区分所有だと所有者の一定量以上の賛同を得なければならず、非常に困難な上、時間も労力もかかります。
「一棟」のメリットとデメリット
○メリット
✓ 利回りが高い
一棟物件は区分に比べ価格帯が高いものが多く、ローンを借りにくいことに合わせて、専門性が高く感じる投資家が多いので、比較的有利な利回りが獲得できます。
物件にもよりますが、首都圏の場合表面利回りで5%から10%を超える物件も存在します。
✓ 老朽化した際の修繕がしやすい
一棟の場合、オーナーの意思で修繕を行うことが可能です。これにより賃料の下落を抑えたり、空室率を改善するといった対策が可能になります。
また、建物の構造がシンプルで、一棟アパートの場合は規模が大きなマンションに比べてコストが抑えられ、割安になります。
✓ 収益性が安定する
区分所有とは反対に、1部屋に依存する収入割合度が低く抑えることが可能です。基本的に全部屋が空室になることはないため、空室リスクがさほど高くありません。また、賃料設定等を小刻みに行うことができ、利回りも比較的高めにすることが可能です。
✓ 税金の優遇制度を利用できる
不動産投資を事業規模まで拡大すると、税金の優遇制度を利用することが出来ます。ちなみに、投資による収入が不動産所得ではなく事業所得として認められる基準は、「アパート、マンションの場合は10部屋以上」「一戸建ての場合は5棟以上」と定められています。
✓ 建物自体が崩壊した場合にも土地が残る
火災や地震などの災害で建物が無くなってしまった場合、一棟買いであれば土地が資産として残ります。
●デメリット
✓ 管理の手間がかかる
区分マンションの場合、管理会社が掃除などを行ってくれるのが当たり前ですが、一棟の場合は、自分で清掃や、入居管理を行うか、新たに管理会社に依頼する必要があるため、不動産会社に相談しましょう。
✓ 1つあたりの物件規模が区分マンションに比べて大きい
一棟の場合、区分マンションに比べて、規模が大きくなることが多いです。価格帯としては、3,000万円以上、案件によっては、数億円をこえることもざらです。
そのため投資の開始の際、多くの自己資金が必要になり参入障壁が高くなってしまうことで、なかなか取り組みにくいイメージがあります。
✓ 銀行が比較的少ない
規模が大きくなるため、区分マンションに比べると融資をしてくれる銀行が少なくなります。不動産会社に相談し、融資を受けてくれる銀行を見つける必要があります。
最後に
上記のように、区分マンション投資と一棟投資、どちらにもメリット・デメリットは存在しますので、その差をきちんと把握しましょう。
節税や保険機能を求めるなら、区分マンション投資。
将来の資産形成や、収益の獲得を目的とするなら一棟投資。
それぞれの、特性を理解して、自分に合った投資を実行しましょう。