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コラム#61 意外と高い?ワンルームマンション投資の固定資産税の相場

筆者

高桑 良充

KAIROS MARKETING LTD. CEO

融資を受けてワンルームマンションに投資をする場合、投資規模が小さくなりやすいため、融資条件(自己資金割合や金利、融資期間等)によっては毎月のキャッシュフローが少なくなる場合もあるでしょう。
キャッシュフローが少額であると、毎年の固定資産税の金額は年間キャッシュフローの総額に比して高くつく可能性もあります。
そこで、ワンルームマンションに投資をする前に把握しておくべき固定資産税の相場および計算方法について解説します。

固定資産税とは?

固定資産税とは、不動産(土地やマンション等)をはじめとする固定資産の所有者に対して毎年課される税金です。
毎年1月1日の時点で固定資産課税台帳に登録されている固定資産が課税対象、同時点で当該固定資産を所有している者(登記簿上の名義人等)が納税義務者となり、税額は当該固定資産の評価額を基準に算出されます。

支払い方法は一年分を一括で支払うか、4期に分割して毎期の支払い期日までに支払うかのいずれかです。
コンビニでの支払いや口座引落によって支払うこともできるため、時間や手間をかけずに納付ができるでしょう。

ワンルームマンション投資の固定資産税の相場

マンション1戸の固定資産税の金額は、土地に係るものと建物(家屋)に係るものとの合計額で決まります。
以下3パターンのワンルームマンションにおいて年間に支払う固定資産税のおおよその金額は以下の通りです。

・3,500万円の新築マンション
→6.5万円ないし17万円
・2,000万円の中古マンション(築15年前後)
→4.5万円ないし12万円
・700万円の中古マンション(築25年以上)
→1万円ないし3万円

固定資産税額は物件規模や構造、築年数といった種々の要因によって変動するため、上記金額はあくまで一般的な目安として認識しておきましょう。

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固定資産税の計算方法と3つの変動要因

固定資産税額には定められた計算方法がありますが、以下3つの変動要因があるため金額の相場は物件所在エリアや築年数等によって異なります。
複数のエリアに投資を考えている場合は、それぞれのエリアにおける固定資産評価額の相場を把握しておきましょう。

計算方法

固定資産税額は土地と建物(家屋)で別個に以下の式から計算され、両方の数字を合算して最終的な税額が算出されます。
固定資産税額=固定資産税評価額×税率(標準税率は1.4%)
固定資産税額の算出に用いられる税率は1.4%が一般的です(東京都も1.4%の標準税率を採用しています)。

変動要因①固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、固定資産税額を決める基準となる当該固定資産の評価額のことで、各地方自治体が物件ごとに個別に決定しています。
固定資産税評価額は、物件の取引価格(売買が成立した価格)ではなく、同価格の約70%程度というのが一般的な目安であるため、取引前に固定資産税額を見積もる際は注意しましょう。
固定資産税額が固定資産税評価額の影響で変動する理由は、評価額が3年に一度の頻度で各地方自治体によって評価替えされているためです。
税額は評価額を基に算出されるため、評価額の変動に応じて税額も変動することになります。
その時点での評価額は固定資産課税台帳や毎年送付される課税明細書に記載されているため、必要に応じて確認しましょう。

 

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変動要因②築年数

建物(家屋)部分に関する固定資産税の金額は、当該物件の築年数が増加するにつれて減少しやすい傾向があります。
築浅物件であるほど高くなりやすく、築古物件であるほど安くなりやすいということです。
築古物件であるほど固定資産税額が安くなりやすい理由は、建物(家屋)部分は経年とともに劣化して資産価値が減少すると考えられているためです。
具体的には、3年に一度行われる固定資産評価額の評価替えの際に、経年減価補正率基準表という補正値の一覧表に基づいて、築年数に応じて建物(家屋)部分の評価額が減額されます。

建物(家屋)部分は経年とともに資産価値が下落するという評価を受けるのが原則ですが、土地部分については同様の考え方はとられていません。
建物(家屋)においてのみ経年劣化の考え方が用いられている理由は、建物(家屋)を構成する建材や各種設備等が経年とともに劣化するためです。

変動要因③特例による減税措置

建物(家屋)部分についても土地についても一定の条件を満たせば特例による減税措置を受け、固定資産税額を軽減させることができます。
特例による減税措置には以下の2つが代表的といえるでしょう。

・新築物件における減税措置(建物(家屋)部分)
・小規模住宅用地の減税措置(土地部分)

新築マンションの場合、一定の条件を満たせば最長で7年間に渡って建物(家屋)部分の固定資産税が半額になるという減税措置があります。
土地についても小規模住宅用地部分(200㎡以下の部分)に該当する部分は固定資産税の軽減措置が適用され、課税標準額が1/6に軽減されます。

特例による減税措置の適用を受けるには、当該物件の土地面積や居住部分の床面積、建物(家屋)の構造、認定長期優良住宅か否かといった種々の条件を満たし、かつ建物(家屋)については新築物件である必要があります。
投資を検討中の物件における減税措置の適用有無の判断には、建築基準法や税務に関する高度な専門知識が求められる点が多いため、専門家に相談するのが得策です。

固定資産税も固定費として織り込もう

固定資産税は毎月のキャッシュフローや年間収支に響く可能性があるため、購入前に概算価格を見積もったうえでキャッシュフロープランに固定費として計上しておくのが得策です。
年4回の分割支払いで納税したとしても、物件によっては1回当たりの支払い金額が数万円規模になることもあり得ます。
固定資産税を滞納すると、延滞金が追加で発生するだけではなく、最悪の場合は課税対象の物件を差し押さえられて競売にかけられることも想定されるため、期日通りに納税できるように時期に合わせてキャッシュを確保しておきましょう。

まとめ

ワンルームマンション投資においては、投資規模やキャッシュフローが小さくなりやすいという理由から、年間収支に占める固定資産税の比率が高くなる傾向があるといえます。
固定資産税の算定基準の一つとなる固定資産税評価額は3年に一度の頻度で評価替えがされるうえ、各種減税措置や建物(家屋)の経年による評価補正といった変動要因もあるため、正確な金額の算出は専門家に相談するのが得策です。

なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等についてはお気軽にお問い合わせください。

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