先日「SUUMO住みたい街ランキング2022 首都圏版」(株式会社リクルート)が発表されました。
ランキングの結果をふまえ、その傾向と不動産投資がどう関連しているか、見てみましょう。
都心から郊外へ、傾向は継続
アンケートに回答しているのは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨木県在住の20〜49歳の男女10,000人に、「東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨木県の住みたい街」を調査しています。
総合1位は「横浜」で、5年連続トップ。「吉祥寺」は2018年以降で初の2位、3位は「大宮」で初めて東京・神奈川・埼玉の3駅がTOP3を分け合った結果となったようです。
2021年と比較してみると、「大宮」(前年4位→3位)が初のTOP3入り、「浦和」(前年8位→5位)や「鎌倉」(前年12位→10位)も順位を上げており、郊外の人気がより顕著になってきたことが伺えます。鎌倉を除けば、全てJR沿線の駅が名を連ねており、駅前が商業施設で充実したターミナル駅が人気を集めているようです。
その中でも特に大幅にランキングUPしたのが、「流山おおたかの森」(前年39位→16位)。
2005年につくばエキスプレス開通後、現在も駅前開発が盛んに行われ、大型商業施設の建設も進んでいます。都心へのアクセスが良い上に、自然豊かで子育て支援が充実していることから、近年子育て世代の人気が高まっている街です。
郊外であっても、都心へ出ずとも駅周辺での買い物や用事を済ませることができる利便性がある街が、ランキングを上げている傾向が見えてきました。
不動産投資の視点で、ランキングを考えてみる
このデータを不動産投資の観点で、考えてみます。投資物件を選定する際に、「住みたい街」にランクインしている地名を重視する投資家は多くいらっしゃいます。
しかし、「住みたい街」にノミネートするのは関東地区でも比較的名前が知れ渡った場所が多いことがわかります。
それらの場所は有名な観光地があったり、商業施設が多く存在する、いわゆる「訪れる街」であって、実は駅近くには居住物件は少ない傾向にあります。
またこのような街は注目が集まるため、物件があっても家賃相場も高く、実際「住める街」は「住みたい街」の周辺、1つ2つ隣の駅であることが多いのです。
住みたい街は、決して住んでいる街ではないのです。
不動産投資の物件として選ぶ場合には、知名度よりも実際に人が住んでいて、空室が起きづらい「住める街」を選ぶことをオススメします。