長引くコロナ禍がもたらした、ウィズコロナにおけるこれからの資産形成への不安も尽きない2022年。
今まで関心を寄せることもなかった資産運用を視野に入れ始めた方も、決して少なくありません。
NISAや投資信託、iDecoなど、少額からスタートできる投資も充実してきている中、初期費用やリスクを抑えて始められるワンルームマンション投資が今、あらためて注目されています。
初心者では見極めが困難な「ワンルームマンション投資」の罠
マンションの1室を購入し、賃貸物件として入居者に貸し出すことで家賃収入を得る不動産投資の手法の一つ、ワンルームマンション投資。
専有面積が少ないことから、好立地の物件でも比較的安価で購入できること、物件も多い都心部のワンルーム需要がそもそも高い傾向にあること、年金のような不労所得の仕組み作りができること、さらには生命保険効果もあることなどから、老後を見据えた有力な資産運用の手段として多くのメリットが謳(うた)われていますが、はたしてそんなにうまい話ばかりかと言えば、目的や物件選びによっては残念ながらデメリットもたくさんあるのが現実です。
たとえば、仕入れがそもそも安価であるため、当然家賃も低めの設定となり、収益性はそこまでは見込めません。
また、家賃収入からローンを返済している場合、物件が空室になれば、返済は当然自己資金を充てることになります。
業者経由で転貸することで、実際の入居者の有無に関わらず一定の家賃を確保する「サブリース契約」もありますが、実際の家賃よりはるかに低い賃料での契約を飲まざるを得なかったり、更新時に大幅に賃料を下げられたりといったトラブルが発生する懸念があります。
なにより、物件の購入金額を耐用年数に応じて分けて経費として計上できる仕組み、「減価償却」を利用した所得税の節税も、耐用年数がそもそも長いワンルームマンション、かつ1室だけでは、高い税率の年収の方でない限り、あまり大きなメリットはありません。
「物件の需要が高くなかった」「資金計画が甘かった」――失敗例が突きつける現実
そして同種の事例は、枚挙に暇(いとま)がありません。
ある物件では、賃貸のトップシーズンである2〜4月には入居が決まると見据えて、収支との兼ね合いから家賃は下げずに、12月から募集を開始。
ところが4月を過ぎても入居者は決まらず、泣く泣く家賃を下げるも、トップシーズンを過ぎたことにより、結局は空室のまま。
ローン返済に苦しんだ末、6月にサブリース契約を締結するはめに。
また別の物件では、購入の翌月からローン返済が始まるため、焦りから入居者の素性をあまり吟味しないまま契約。
数カ月後から家賃の滞納、騒音トラブルが発生、退去してもらおうにも入居者の権利が強い借地借家法に守られ、応じてもらえず。
専門家に費用を支払って対処したものの、想定外の支出が当初の資金計画を狂わせることに。
この例を始め、ワンルームマンション投資における失敗例の共通点は、「物件の需要が高くなかった」「資金計画が甘かった」ことを見極められなかったことにあります。
土地の売却益まで見込める、出口の見える資産運用が結実する「1棟アパート」投資
では不動産投資において、どんなソリューションが最適解なのでしょうか?
いつまでにどのくらいの資産を形成したいのかを設計し、資産価値の高い物件を見極め、その出口計画までを策定、マネジメント、運用することは、その一つと言えるでしょう。
そもそも、1部屋単位で購入する区分マンションではロット(規模)が小さすぎるため、取引や管理の手間に比べ、資産規模を拡大するにはコストパフォーマンスが悪いのは否めません。
むしろ築年数の深い中古の1棟アパートを格安で仕入れ、借りる側のニーズに合った適切なリノベーションを施すことで、物件の価値は確実に上がります。
また、1棟アパートは耐用年数が低くなる木造の物件も多いことから、減価償却による所得税の節税効果も見込めます。
そしてなにより物件の償却後は、役割を終えた物件そのものではなく、土地の売却益まで見込める、つまり出口の見える資産運用がここで結実するのです。
とはいえ、ワンルームマンション投資もさることながら、1棟アパートを軸にした不動産投資を手掛けるのは、不動産投資のビギナーのみならず、すでに長年取り組んでいる中・上級者にとっても、プロの助太刀なしには至難の業。
物件の価値を冷静に判断し、打つべき施策を最良のタイミングで実施できる、まさにプロフェショナルな視座とコンサルティング力が不可欠になります。