不動産投資コンサルティング

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コラム#152 実際に「レバレッジ効果を最大化できる」のはどっち?! 不動産投資ローン、フルローン型と自己資金活用型の戦略・最適解

筆者

高桑 良充

KAIROS MARKETING LTD. CEO

自分の与信を自分の資産形成のために使うことができる最強のツール、「不動産投資ローン」。

この、誰にでも平等に与えられている信用を活かさない手はないのは自明の理ですが、ではローンさえ組めればどんな形でもよいのか、と問われれば、当然そんなことはありません。

同じローンであっても、住宅用、つまり実際に自分自身が居住するための不動産ローンと、投資用の不動産ローンでは、まったく考え方が異なります。

たとえば、住宅用では「フルローン」と呼ばれる物件価格全額の融資を受けるローンの活用がごく一般的になりつつありますが、投資用においては、フルローンを利用することはできるものの、メリットよりデメリットのほうが大きい傾向にあります。

低いハードルでハイリターンを謳う、不動産投資フルローンの甘美な誘惑

もちろん、フルローンにはメリットがない、というわけではありません。
大きく2つのアドバンテージがあります。

1.自己資金を使わずに投資を始められる

頭金を用意する必要がないため、物件購入後の自己資金の活用法、自由度が格段に高まります。

購入物件のリノベーションや広告宣伝費に資金を充てることで、競争力を高めて空室リスクを減らすなど、物件のポテンシャルを十二分に引き出すアクションが柔軟に実行できます。

2.レバレッジ効果を最大化できる

自己資金を手元に残したまま収益を得られるため、投資において、少ない資金で大きな資産を生み出すことを指すレバレッジ効果(てこの原理)を存分に享受できます。

フルローンの利息が発生しても、自己資金のみで物件を購入したときに得られる収益を上回る価格の物件でローンを組めば、その利息を返済してもお釣りがくる利益が残せます。

むしろキャッシュフローを毀損する、自己資金なしの不動産投資フルローンの正体

では、それを相殺するどころか上回ってしまうほどのデメリットとは、如何ほどのものなのでしょうか?
4つのディスアドバンテージが挙げられます。

1.キャッシュフローが悪化しやすい

自己資金を投入しない分、元本が大きくなるため、利息および返済額が大きく、返済期間も長期化します。

また、仲介手数料や登録免許税、不動産取得税、司法書士報酬などの諸経費(物件価格の3〜5%)はローンに組み込めないので、自己資金から捻出する必要があります。

加えて、空室や修繕の対応が発生すると、家賃収入だけではまかなえず、自己資金を取り崩す羽目になりかねません。

2.金利上昇リスクが存在する

現在の日本は、未曾有とも言える空前の低金利が続いていますが、今後の政権運営における政策や経済状況の変化によっては、金利が上昇する可能性があります。

利息および返済額が大きく、返済期間が長期化する構造上、わずかな上昇であったとしても利息も強い影響を受け、返済額も大きく膨らむリスクを孕んでいます。

そして、それがいつ訪れるのかを予測することは、アナリストを持ってしても困難です。

3.金融機関の審査が厳格になる

借入額が大きくなることから、万が一の返済の遅延や、投資の失敗により融資額の回収が困難になることを危惧するゆえ、多くの金融機関が通常よりもさらに慎重に審査を行うことになります。

また、キャッシュフローの向上を狙って、より金利の低いローンへの借り換えを検討する場合でも、借り換えのタイミングでの残債が大きくなりやすいので、金融機関から魅力的な融資先として評価されにくくなります。

4.売却時に「手出し」になる可能性がある

不動産投資の出口戦略の一つとして考えられる、売却による利益確定を行う際、売却時には一度ローンの残債をすべて返済する必要がありますが、残債自体が大きくなりがちになるため、物件の売却益だけでは支払い切れず、足りない分を自己資金で充当せざるを得ない、いわゆる「手出し」の状態に陥る可能性があります。

資金繰りが悪化している状態だと、自己資金を用意できず、売却すらできなくなります。

金融機関により大きな融資を承認させる、担保の評価の安全性のカラクリ

そもそも不動産投資ローンに対応している金融機関は、住宅用に対して少ないこと、頭一つ抜きん出たプレイヤーがいないことから、不動産投資に対しておしなべて金融機関は強気です。

もっと言えば、フルローンに対応してくれる物件自体の選択肢も少なく、あってもあまり条件の芳しいものはありません。

では、どんな戦略が不動産投資のローンには必要なのでしょうか?

例えば、ある物件の評価が1.5億から2億の間で揺れている場合、投資家が「自己資金として5,000万を入れる」とコミットしてくれるなら、金融機関にとっては自己資金の5,000万と合わせれば、少なくとも最低評価額の1.5億は担保されるので、2億の融資にも承認を出しやすくなります。

また、自己資金を投入することによって、ビギナー投資家がフルローン対応物件から探すしかない中で、それにとらわれない幅広い選択肢から他の投資家には手が出せない物件を選択できるようになるのです。

このように、自己資金や担保資産を積極的に不動産投資に活用することにより、融資額に下駄を履かせることができ、ローンを通して得られる収益を最大化することが可能になります。
それによって初めて、不動産投資が「レバレッジ効果を最大化できる」のです。

「レバレッジ効果を最大化できる」、自己資金の真の活用法

金利自体は、通常の融資同様、投資家の属性や年収によって変わるもの。
自己資金を入れたからといって、必ずしも金利を優遇してもらえるわけでもありません。

しかし、自己資金を投入することで、フルローンの場合よりも金利が優遇されたり、結果として想定よりキャッシュフローが向上する可能性は多いに考えられます。
また、それに伴い、物件自体の担保力もアップするため、さらなる次の投資先の担保としての評価も上がり、融資先の銀行のグレードも上がることが期待できます。

つまり、自己資金を留保して投資のスタート時点におけるキャッシュフローを守ることが重要なのではなく、自己資金となる資産を作り出すことにより、「レバレッジ効果を最大化できる」あらゆる可能性を広げることこそが重要、なのです。

カイロスマーケティングでは不動産投資のご相談を受け付けております。
投資に対してお持ちの不安や疑問を、私たちと一緒に解決していきましょう。

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