少子化を不動産ビジネスの危機と捉えるべきか?
昨今、日本の少子高齢化が問題視されています。この要素は不動産投資家の不安の種の一つであることでしょう。
2015年には、人口減少が戦後初めて国勢調査ベースで確認されました。前回調査時より12万人減少という、街が一つ消滅したのようなインパクトがあります。
そして、2020年1月1日現在の人口調査では、5年前に比べ0.85%の減少率と発表がありました。やはり減少傾向は止まる気配を見せません。
少子高齢化社会で重要なポイントとは?
人口減少にばかり気を取られがちですが、不動産ビジネスにおいて重要なのは、そもそも物件の地域の人口ではなく「世帯数」です。
世帯数が増えるエリアではそもそも需要が増え、そして部屋数の必要数は上がり、単価も上昇する傾向があります。これがポイントです。
野村総研が発表した “日本の不動産投資市場2018” というレポートによると、世帯数予測は2010年国勢調査をベースとして予測と比べ、世帯数のピークは2019年から2023年にシフトし、2030年時点では225万世帯が増加すると見込んでいます。また、東京圏の人口・世帯数はともに増加を続け、人口は2020年、世帯数は2025年をピークを迎える見込みです。
事実、総務省が発表した最新の人口動態調査の結果では、東京・神奈川の2都県が人口増加しており、東京都だけでも0.52%増加し、世帯数も増加しています。
余談ですが、埼玉・千葉も以前までは増加傾向にありましたが、最新の発表ではその2県は減少と報告されています。
世帯数=需要
つまりは、世間一般で叫ばれている、
「少子化・人口減少=不動産投資はリスク」といった報道に惑わされず、どのエリアに狙いをつけるのか?或いは、その物件エリアの現状やポテンシャルはどうなのか?という考え方が非常に重要です。
当然ですが、
人口増加や外国人を含む新しい人口の流入は、世帯数を増加させ住居の需要を押し上げます。前述の通り、東京圏への新しい流入というこの流れは今後も変わりません。
すなわち、不動産ビジネス全体としては都市部、そしてその中でも東京圏がその中心になることは今後明らかです。不動産ビジネスに関わっている方々やこれから関わるであろう方々は、こういった人口増減や世帯数などのトレンドをしっかりと把握しておくことが重要です。
少子高齢化という一見するとリスクに見える現象でも、事実を掘り下げていくとその中でもチャンスが転がっていることはどのような現象にも言えることです。