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コラム#147 東京の「転出超過」は日本人が理由じゃなかった?!人口の東京一極集中の再加速から読み解く、不動産投資のこれから

筆者

高桑 良充

KAIROS MARKETING LTD. CEO

総務省がこの(2023年)1月末に発表した『住民基本台帳人口移動報告』によると、東京都における転入者が転出者を上回る「転入超過」数は3万8,023人。
その超過率幅は、コロナ禍下の2021年と比べて実に7倍となり、若年層(15〜29歳)に限れば、コロナ禍前の水準に完全に戻りました。

かくして、日本の人口の東京への集中は再加速。
いわゆる「東京一極集中」のトレンドが復活したのは間違いありません。
これは、コロナ禍の影響が徐々に薄れるに伴い、行動制限なども緩和に向かい、社会経済活動の正常化が進んだことも大きな理由の一つと考えられますが、はたして本当にそれだけが原因なのでしょうか?

むしろ増えていた、東京への「日本人」の転入

「2021年の東京の人口動向を徹底分析〜転入・転出が進んだ人・場所は?〜」(出典:グローバル都市不動産研究所)に、こんな興味深いデータがあります。

2021年の東京の人口の年間増減数を日本人・外国人別で見てみると、日本人は2万37人、外国人は2万8,555人と、外国人の減少幅が日本人のそれを上回っています。
さらに、自然増減(出生者数―死亡者数)、社会増減(転入者数―転出者数)で見てみると、日本人の自然増減が3万2,873人と大きく減少したのに対し、社会増減はむしろ1万2,836人の増加
一方、外国人の自然増減は2,191人の減少に対し、社会増減は3万746人の減少と、いずれも大きくその数を減らしています。

つまり、コロナ禍で外国人が本国に大量に帰国したことこそが東京の「転出超過」の本質であり、日本人だけで見た場合、「東京一極集中」の潮目は世間が思っているほど変わってはいない、というのが現実なのです。

結局、東京から30キロ圏内がほとんどだった転出先

1991年のバブル崩壊、2008年のリーマン・ショックと、日本の人口は不況期には一時的に地方圏に分散するものの、すぐに回帰する現象を繰り返してきました。

そもそも、「どこに転出したのか」を紐解いてみても、東京からの転出超過となっている地域は、埼玉県、神奈川県、千葉県、沖縄県、茨城県の5県だけ。
なかでも、東京に隣接する3県が突出して増加しています。
しかも、著しく転出が多いのは、神奈川県に隣接する大田区、世田谷区、埼玉県に隣接する練馬区、千葉県に隣接する江戸川区など。
これらを鑑みると、東京からの主な転出先は30キロ圏内がほとんど、という結果に。

転出自体はカジュアルに選択できたとしても、会社を変える決断はそう簡単にはいきません。
2020年5月には32%をマークしたテレワーク実施率も、22年7月には16%に後退(『日本生産性本部』調べ)。

転出といえども、会社に通うことができる距離、であることが求められているのは明白です。
そう、東京への一極集中は、揺るぎない中長期的トレンドであることは間違いありません。

コロナ禍にさえも影響されない、東京の不動産の盤石な価値

人口の減少は加速し、2060年には8,674万人まで後退する、と推計されている日本。
減りゆく人口は、国の財源を圧迫し、インフラ維持の観点から、利便性の高いエリアにコンパクトにまとまっていきます。

首都直下型地震や富士山の噴火など、災害に弱いというリスクを抱えつつも、2022年の東京23区の新築マンションの平均価格は、過去最高を更新する8,455万円と、依然として高い水準を維持。
東京という不動産の価値の絶対性は、新型コロナウイルスという未曾有の災禍を持ってしても盤石であることがわかります。

不動産投資にとっても、それは何一つ変わりはありません。
とはいえ、実際に利益を生み出せる構造の事業に育てるには、資産運用の構造を綿密に設計し、運営するための適切なコンサルティングが鍵となってきます。

一過性の情報に惑わされることなく、対局を正しく見極めるプロフェッショナルな視座は、不動産投資による新たな資産形成にとって、とても頼もしいパートナーとなってくれることでしょう。

カイロスマーケティングでは不動産投資のご相談を受け付けております。
投資に対してお持ちの不安や疑問を、私たちと一緒に解決していきましょう。

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