不動産投資の1つの選択肢として、一棟アパートや一棟マンションといった“一棟投資”というものがあります。
まだまだ部屋単位で投資する”区分”に比べてハードルが高いイメージがありますが、1棟投資は昔からあるビジネスモデルで、事業計画をちゃんと行えば着実に資産形成ができる投資方法なのです。
この記事では区分所有にはない一棟物件の3つのメリットをご紹介します。
一棟投資は"利回りが高い"
昨今、不動産投資のハードルが下がっていることもあり、不動産投資ビギナーが始めやすいマンション投資(区分投資)にチャレンジする方が増えています。
しかし流行したことにより利回りは低下しており、最近の利回りでいうと多少の上昇傾向にはありますが、それでも築年数の浅いマンションでは利回り5%を割り込むものも増えてきています。仮に利回りが5%を下回る物件を購入し、銀行の金利が2%だった場合、イールドギャップは3%。これでは安定したキャッシュフローとはいえませんね。
一方で、一棟物件の利回りはというと、区分に比べ利回りが高い傾向にあります。エリアにもよりますが5%〜10%近くの物件も多くあるため、物件の選択を誤らなければキャッシュフローにゆとりをもって運用ができます。
一棟投資は"空室リスクを分散できる"
不動産投資で考えられるリスクとして空室リスクがあります。
区分マンションは1部屋のみの所有になるため、入居者がいれば満額の収入を得られ、いない時期はゼロとなります。
物件を選ぶ際に好立地の物件やオシャレな築浅のデザイナーズマンションといった空室のリスクが少なそうなところを選べばリスクヘッジにはなりますが、利回りが低い傾向にあるためそもそものキャッシュフローがよくありません。
1棟物件の場合はアパートタイプやマンションタイプによって部屋数が異なりますが、保有する部屋は複数になります。
仮に20戸の一棟マンションを購入し、4部屋が空室の場合、収入は満室時に比べ80%。春先など時期によって退去が重なることはあっても、全戸が空室になるリスクは極めて少なく、一棟投資の場合は一時的な収益の低下で済む場合が多いです。
一棟投資は"土地価値の割合が高い"
一棟物件の場合、建物と土地を所有することになります。また購入価格のおよそ半分以上が土地価値である場合が多く、物件によっては80%以上が土地価値なんてものも少なくないのです。
建物は当然年数が経過するにつれて価値も下がっていきますが、土地はどうでしょうか?
都心部など好立地の場所はもちろん、郊外の物件でも、大型の商業施設ができたりすると、上昇することもあります。
以下を例にしてみましょう。
<5,000万円の物件(土地価値70%)を25年ローンで取得した場合>
ローン返済を20年したとして残債がおよそ1,400万円あります。
このタイミングで更地売りすると、
5,000万円(購入価格)×70%(土地価値)=3,500万円(販売価格)
3,500万円(販売価格)−1,400万円(残債)=2,100万円
2,100万円=利益 となります。
数年ではなく長期的な資産運用を目的とするならば、価値が下がりにくい土地を所有している1棟投資は安定しているといえます。
最後に
もちろん収益を出すためにはリスクが付きまといますが、信頼できる不動産業者と事業計画でリスクを最小限に減らすことはできます。
一棟投資は短期的な利益を求めている方には向いていません。ですが、中長期的な資産形成を目的としている方には最適な投資方法といえるのではないでしょうか。