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コラム#38 不動産投資のアパート経営における減価償却による節税効果を徹底解説

筆者

アパート経営など不動産投資では大きなお金が動くということもあり、毎年の納税額も大きなものとなりがちです。
そのため、税金についても基本的な仕組みは理解しておくことが大切です。
中でも特に重要なのが減価償却に関するもので、減価償却を賢く活用することで大きな節税効果を期待できます。

本記事では、アパート経営における減価償却について分かりやすく解説していきます。本記事を読むことで減価償却の基本的な内容を理解でき、お得にアパート経営に取り組めるでしょう。

アパート経営など不動産投資で利益を得ると税金が課される

アパート経営など、不動産投資で利益を得るとその利益額に対して税金が課されます。
不動産投資に関わる税金にはさまざまなものがありますが、特に大きなものが不動産の家賃収入などに課される不動産所得と、不動産売却時の利益に課される譲渡所得です。

減価償却で節税

不動産投資で得た利益はそれぞれ自分で計算する必要があります。
不動産投資で得た利益から各種経費を差し引くなどして所得額を計算しますが、このとき、経費として差し引けるものに減価償却があります。

減価償却とは、不動産や設備の取得費用を、購入時に一括ではなく一定の期間で分割して償却していく会計上の手続きのことです。
例えば、5,000万円で取得したアパートを20年かけて、毎年250万円ずつ経費計上できます。
※数字は分かりやすくするため簡単にしています。

本来であれば出費した年に経費計上するものですが、それでは1年目だけ5,000万円に近い赤字となり、2年目以降は利益額に対して課される税金が大きくなり不公平となりやすいです。
減価償却を活用することで、こうした問題を解消できるといえるでしょう。

減価償却の計算方法

減価償却は一般的に定額法と定率法という2つの方法で求められます。
定額法とは毎年同じ額の減価償却費を計上する方法であり、定率法とは残価値に対して一定の償却率で償却していく方法です。
なお、アパートなど投資用不動産の場合は現在定額法の未利用可能となっています。定額法での計算方法は次のとおりです。

減価償却費 = 購入金額 × 耐用年数に応じた償却率

上記の計算で求めた金額を耐用年数の期間で償却していくのです。
耐用年数や償却率は鉄筋や木造などの構造、居住用や事務所用などの種類によって異なります。
国税庁により耐用年数・償却率が定められているので確認するようにしましょう。
参考:減価償却資産の償却率表|国税庁
参考:耐用年数(建物/建物附属設備)|国税庁

たとえば、物件価格3,000万円の新築木造アパート(法定耐用年数22年)の減価償却費用は以下のように計算します。

3,000(購入金額) × 0.046(償却率)= 138万円

よって、年額138万円を減価償却費として22年間は経費計上できるのです。

不動産所得と減価償却

不動産所有中に得られた家賃収入などの所得は不動産所得として計上します。
ここでは、不動産所得における減価償却について見ていきましょう。

不動産所得の計算方法

不動産所得は次の計算方法で求められます。

不動産所得 = 総収入金額 – 必要経費

総収入金額には、家賃収入や駐車場収入・権利金・更新料だけでなく、敷金や保証金など返還の必要がないものや共益費用として徴収した電気代や水道代なども含まれます。
これらの収入の合計金額から、不動産収入を得るための必要経費を差し引いた金額が不動産所得となり、課税対象となるのです。

減価償却分を経費計上できる

不動産所得の計算に差し引く必要経費には次のような項目があります。
・固定資産税や都市計画税などの税金
・火災保険料や地震保険料などの損害保険料
・修繕費用
・減価償却費
上記通り、減価償却費も必要経費として不動産所得から差し引くことが可能です。

譲渡所得税と減価償却

不動産を売却して得た利益は譲渡所得として計算します。
不動産売却時の譲渡所得計算時には、不動産を所有中に差し引いた減価償却の額を考慮する必要がある点に注意が必要です。
以下、詳しく見ていきましょう。

譲渡所得税の計算方法

不動産売却時の譲渡所得は以下のように計算されます。

課税譲渡所得 = 売却額 – 取得費 – 譲渡費用 – 特別控除
納税額 = 課税譲渡所得 × 税率

譲渡所得税の税率は所有期間によって異なり、具体的には以下の通りです。

例えば、3,000万円で取得したアパートを500万円の経費をかけて5,000万円で売却する場合、
5,000万円 – 3,000万円(譲渡費用) – 500万円(譲渡費用) = 1,500万円
に対して税率が課されます。

所有期間が5年超であれば、
1,500万円 × 20.315% = 304万7,250円
を納税しなければならない計算となります。

ただし、物件の取得費の計算については、建物部分について、物件の取得額から減価償却分を差し引かなければならない点に注意が必要です。

譲渡所得税の計算における減価償却

譲渡所得の計算においては、売却額から物件取得費を差し引くことができますが、このとき、物件を取得したときの価格から建物部分の減価償却分を差し引かなければなりません。
具体的には以下のような計算式で求めます。

取得費用=土地購入金額+(建物購入金額-減価償却費の累計額)

たとえば、次の条件での取得費の計算は以下のようになります。
・購入価格3,000万円の木造アパート(内、建物部分は1,000万円)
・所有期間10年間

建物の減価償却費
2,000万円 × 0.046(償却率) × 10(所有期間)
= 920万円

取得費
1,000万円(土地代) + 2,000万円(建物の購入価格) – 920万円(建物の減価償却累計額) = 2,080万円

よって取得費用として2,080万円を計上できます。
先述の通り、この物件を500万円の譲渡費用をかけて5,000万円で売却したと想定すると、以下のように計算できます。

5,000万円 – 2,080万円 – 500万円 = 2,420万円(課税譲渡所得)
2,420万円 × 20.315% = 491万6,230円

減価償却を考慮しなかった場合の計算例と比べると200万円近くも納税額に違いがあることが分かります。

物件所有中の減価償却と売却時の減価償却に注意

アパート所有中の不動産所得における減価償却と売却時の譲渡所得における減価償却についてお伝えしました。
売却時の取得費の計算において、減価償却費の累計額を差し引いたことから分かる通り、アパート所有中には減価償却による節税効果を享受できますが、先に経費として計上した分、売却時には経費計上できる額が少なくなる点に注意しなければなりません。

特に、以下のようなケースでは注意が必要でしょう。
・アパート取得額より売却額の方が高くなりそうなケース
・アパートの取得額における建物部分の割合が大きいケース

不動産を所有中に毎年受けられる減価償却による節税効果より、物件売却時に取得費の額が少なくなってしまうことで、譲渡所得税の額が大きくなりそうであれば、早めの売却を検討するといった判断も必要になってきます。

一方で、物件取得時より売却時の額が大きく下がる場合や、取得額における土地部分の割合が非常に大きいようなケースでは、減価償却による影響も小さくなるといえます。

こうした税金の仕組みについて理解しておき、可能な限り物件取得前にしっかりとしたシミュレーションを行っておくことが大切だといえるでしょう。

まとめ

不動産投資における減価償却について、不動産所得と譲渡所得それぞれ解説しました。

物件取得中には経費計上することで大きな節税効果を期待できる減価償却ですが、売却時の価格が高くなってしまうようなケースでは、トータルで損をしてしまうような可能性もあります。
こうした減価償却の仕組みをよく理解したうえで賢く不動産投資に取り組むようにするとよいでしょう。

カイロスマーケティングでは不動産投資のご相談を受け付けております。投資に対してお持ちの不安や疑問を、私たちと一緒に解決していきましょう。

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