マンション投資のリスクに、投資している物件が事故物件となってしまう場合があります。思いもよらない出来事が発生するリスクにどう対応したらよいのでしょうか。
そもそも事故物件とは
事故物件という言葉は「何らかの障害や欠陥がある物件」「前の入居者が何らかの理由で死亡した物件」とされていますが、明確な定義が定まっていません。
しかし、自殺や殺人事件、地震による被害などで、住んでいた人がなくなってしまった物件を指します。
事故物件の告知義務
事故物件になってしまった場合、告知義務が発生します。義務とされていますが、いつまで行うのか明確なルールは定まっていません。
数年行うのが通例ですが、次の入居者が決まると告知をしなくなる場合もあります。
しかし、多くの場合事故物件であると告知を怠り、後々損害賠償問題に発展した例もあるので、時間がたっているからといって安易な判断はせず、告知するのか管理会社と相談するようにしましょう。
事故物件になるとどうなるか
事故のあった部屋・物件はそのままの賃料だと入居希望者は見つかりにくく、賃料の値下げを行う必要もあります。
一般的に2~3割の値下げを行っている人が多いようです。また、事故・事件によっては周りに住んでいる人が退去する可能性も。なかなか次の入居者がきまらないと収益が減ってしまうリスクがあります。
事件・事故で死亡者が出た場合、普通の清掃では臭いや血・体液でついた汚れはなかなか取れず、特殊清掃を行わなければいけません。費用は発覚するまでの期間や臭い・汚れによりますが、数十万~数百万円と高額です。被害が大きければ床や壁の張替え、ユニットバスの交換といったリフォームが必要な場合もあり、かなりの工費がかかる可能性があります。
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リスクを回避する方法
突然起きてしまう事故・事件に対してリスクを最小限に抑える方法についてご紹介いたします。
保険に加入
自殺や殺人などに対応している保険があります。高齢化が進み自殺・他殺以外にも孤独死が増えてくるとされており、必ず考えなければいけない問題です。投資を考える際には保険についてもチェックしておくと良いでしょう。
保険の内容としては、室内の清掃や遺品整理などを行い事件・事故が起こる前の状態に戻す原状回復費用の負担や数か月分の家賃保証があります。
セキュリティに力を入れる
防犯カメラ、オートロックなど防犯対策を行うことで事件の起こる可能性を少しでも減らしましょう。防犯に力を入れ不審者が近づきづらい環境を整えるのも大切です。
連帯保証人の審査を入念に
入居していた部屋に被害があった場合は連帯保証人に賠償請求を行うこともできます。
支払い能力があるか確認をしておくのも重要です。
管理会社を選ぶ
事件・事故があった際の対応や連絡を迅速に行えるようにしておくことも大切です。
周りの入居者へのフォローや家賃をどの程度値下げすべきか、地域の情報に強く、周辺の相場を把握している会社を選ぶようにしましょう。
需要はゼロではないので諦める必要はない
簡単に次の入居者が決まることは少ないですが、物件が「駅に近い」「インフラが充実している」など好条件の場合や「賃料が安い」などの理由で事故物件であっても入居を希望する人がいます。
事故物件に投資するメリットはあるのか
事故物件は同じような物件と比較すると低価格で購入できるので、入居希望者が見つかれば利回りの良さで収益を上げられます。
ついてしまったマイナスイメージを消すのは難しいですが、リフォームやマンションの名前を変えてみるなどして、イメージの払拭を狙いましょう。購入する際には費用をかけすぎないことが重要です。
しかし、イメージを払拭できないと入居希望者も見つけにくく、値下げした賃料での貸し出しなので、収益をあげるのが難しいと言えます。
事故物件となった理由やインフラなど周りの環境も含めて、事前に調べる必要があります。マンション購入後、イメージを払拭して収益を上げられるか判断することも大事なポイントです。