引越し先を探す時、「これだけはゆずれない」物件の設備は誰にでもあると思います。
入居者のニーズを鋭く分析する賃貸住宅業界紙『全国賃貸住宅新聞』の名物企画、『「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」2021人気設備ランキング』によると、入居が決まる人気設備のTOP3は以下のような結果となりました。
必須だからこそ、やはり人気の高い設備
□入居が決まる人気設備TOP3
TOP1:TVモニター付きインターホン
TOP2:室内洗濯機置き場
TOP3:独立洗面台
全体的に、どなたにとっても必須と言えそうな設備がランクインしています。TVモニター付きインターホンは、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務の方が増えていることから、セキュリティ面でのニーズの高まりを受け、一昨年のTOP4から一気にトップに。
そして室内洗濯置き場は、天候や時間を気にせず洗濯ができること、家事動線に組み込めることから、ファミリー/単身を問わず、常に高い人気を誇っている模様。
また、トイレやお風呂とは別にある独立洗面台は、大きな収納スペースはもちろん、やはり鏡やコンセントなどの充実した設備を配することができることから、とくに女性や2人以上で生活しているケースで重宝されているようです。
新型コロナウイルスが変えた、新しいニーズ
また、これがあれば家賃の相場を高く設定できる設備のTOP3はこちら。
□家賃の相場を高く設定できる設備TOP3
TOP1:無料インターネット
TOP2:エントランスのオートロック
TOP3:宅配ボックス
こちらは、いずれも新型コロナウイルスの影響が反映されています。無料インターネットは、テレワークや子供の在宅学習、動画の視聴など、今まで自宅の外でおこなっていたものをオンライン環境が一手に担うかたちになったことから、水道や電気、ガスと同じレベルのライフラインとして認識されていることが分かります。
エントランスのオートロックは、在宅時間が増えたことによるセキュリティ意識が高まったことから重視されています。
宅配ボックスも、オンラインでのお買い物ニーズの急増に加え、運送業者さんから直接受け取らなくすることができる安心感から、もはや集合住宅では必須と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
「自分が欲しい」と「住む人が欲しい」は違うという現実
このランキングを「自分が住む」観点で見てみると、「自分は男性だから、独立洗面台はいらないかな」「勤めている会社がリモートワークを許可してくれず、結局毎日出社している……」という、「自分にとって必要かどうか」という視点になりがちですが、「投資する不動産」、つまり「人に借りて住んでもらうための物件」に必要な設備とは?という観点に立つと、そこではじめて「かならずしも自分が欲しい設備と、住む人が欲しい設備はイコールではない」ということになります。
つまり、不動産投資の物件を選ぶには、安心して入居稼働が見込めるような「賃貸物件におけるニーズのトレンド」を分析し、適正な家賃設定をおこない、事業として綿密な計画を策定、マネジメントする視座が必要になります。