不動産投資コンサルティング

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コラム#76 不動産投資の5つのリスクとそのリスクヘッジについて

筆者

高桑 良充

KAIROS MARKETING LTD. CEO

これから不動産投資を始める投資家の懸念点として、不動産投資のリスクにはどのようなものがあり、そのリスクヘッジにはどうすればいいのかということがあるのではないでしょうか。
確かに、不動産投資にも他の投資と同様にリスクはあります。しかし、それを事前に想定し、回避策を講じることは十分に可能です。

そこで、本記事では不動産投資のリスクを大きく5つに大別して列挙するとともに、それぞれのリスクヘッジについても述べていきます。

不動産投資のリスクは事前に回避できる

不動産投資においても他の投資と同様にリスクがあると上述しました。しかし、不動産投資は他の投資よりもリスクを事前に想定し、回避することが容易といえます。
なぜなら、不動産投資は「投資」としての側面のみならず、不動産経営という「経営」としての側面も併せ持っており、経営者として手腕を振るうことができる幅が広いためです。

例えば、物件をいくらで買って、いくらで貸し、いくらで売却するか、物件の管理をどの管理会社に委託するか、どのような保険に加入するかといったことをはじめ、物件運営のあらゆる局面で経営者として広い裁量があります。
したがって、不動産投資は投資と経営のハイブリッドということができ、リスクに対してもしっかりとした事前準備のもと、リスクヘッジをすることができるのです。

不動産投資の5つのリスク

不動産投資のリスクヘッジにおける優位性について述べたうえで、本題に入っていきます。不動産投資のリスクは大きく分けて以下の5つが挙げられます。

1.空室

空室は不動産投資における最大のリスクであり、物件購入の段階で必ずリスクヘッジしなければなりません。
なぜなら、不動産投資の主な収益源は賃料であり、空室が発生すると賃料収入がなくなってしまうためです。
したがって、各種固定費(管理費および修繕積立金、賃貸管理会社への報酬等)や税金、ローン返済といったあらゆる支出を賃料収入で賄えなくなり、本業からの収入や貯蓄からこれらを支払わなければならなくなる場合もあります。

2.災害

地震や台風およびそれらに伴う建物の破損や浸水等の二次災害は、現物資産である不動産を保有するうえで致命的な被害をもたらす可能性があります。
災害によって建物が被害を受けてしまうと、多大な修繕費がかかるのみならず、修繕工事中は建物を貸しに出すことができなくなります。
したがって、災害の多い日本においては必ず想定しておかなければならないリスクです。

3.設備修繕

賃借人に貸し出す住戸内、そして共用部には多種多様な設備があり、その全てがオーナーの所有物です。
したがって、それらが故障した際や劣化して交換が必要になった際に発生する費用は原則としてオーナーが負担しなければなりません。
例えば、エアコンや給湯器、クロスの修繕または交換、張り替えの費用といったものが挙げられます。そして、それらに係る費用は不定期かつ突発的に必ず発生し、場合によっては数十万円単位にもなり得ます。

4.家賃滞納

上述のように不動産投資の主な収入源は賃料です。したがって、賃借人がいたとしても賃料を滞納されると空室時と同様に収支が悪化します。
加えて、滞納の期間や程度によってはその滞納者を追い出さなければならなくなることもあり、空室を埋める以上の手間と費用が発生することもあり得ます。
したがって、空室リスク以上に厄介なケースに発展する危険性を有しているのが家賃滞納リスクといえます。

5.事件・事故

マンションやアパートといった集合住宅においては不特定多数の人が同時かつ入れ替わり入居しているため、トラブルはつきものです。
そして、稀にではありますが、自分の投資した物件が殺人事件や火災、交通事故といった人為的な事件・事故に見舞われることもあり得ます。
そして、そのほとんどの場合において建物の損傷という一次被害のみに止まらず、当該事件・事故には直接関係のない賃借人の退去や心理的瑕疵のある物件、いわゆる「事故物件」として悪評が立ち、入居付けや売却が著しく困難になるという二次被害にも発展します。
ネットで情報が拡散されやすいうえ、一度出回った情報は半永久的に残り続ける現代においては絶対に避けるべきリスクです。

リスクヘッジの方法

不動産投資における5つの大きなリスクについて述べたうえで、それぞれのリスクヘッジについて言及していきます。

1.空室のリスクヘッジ

まず、空室を避けることは不動産投資を成功に導くための第一歩といえます。そして、その方法は賃貸需要が旺盛な物件を厳選して購入することです。
具体的には、以下3点に着目して長期的に賃貸需要が絶えない物件を購入しましょう。

・物件の所在エリア(物件最寄り駅の乗降客数、人口推移等)
・同エリアに最も求められる間取り(ワンルームかファミリータイプか)
・物件周辺の生活環境(生活インフラの充実度、嫌悪施設の有無等)

不動産投資は長期的に借りていただくことではじめて成り立つ投資なので、利回りや築年数よりもまずは「賃貸需要が旺盛か」という目線で物件を選ぶことが重要です。

2.災害のリスクヘッジ

災害の発生はコントロールができないため、以下2つの方法を両輪で講じることでリスクヘッジをしましょう。

・災害に遭わないようにするための策
これは災害の少ないエリアの物件を買うということです。そのために、物件所在エリアのハザードマップを注視して洪水や土砂災害のリスクの有無を確認しましょう。
加えて、公共団体(市役所や区役所など)に過去に発生した地震をはじめとする災害や防災策についてヒアリングをすることで有益な情報を得られる可能性が高くなります。

・災害に遭ってしまった場合に備える策
これは損害保険への加入および特約の付加です。火災保険および地震保険への加入のみならず、「家賃収入特約」という特約を付すことでリスクヘッジの厚みが増します。
この特約は、火災などに起因する賃料収入の損失を補償するものです。災害や事故が起きた際、火災保険によって家財や建物は補償されますが、実際問題としてはその復旧のための工事が必要となり、その期間中は部屋を貸しに出せません。
そして、その期間の賃料収入は補償されないのが現実です。そこで、本特約を付すことで3ヶ月間・6ヶ月間・12ヶ月間といった一定の期間に亘って逸失された賃料相当分の保険金が支払われます。
また、事故再発防止等費用特約という特約もあり、これは火災・落雷・破裂・爆発・盗難の事故に起因する損害の発生によって損害保険金を受け取る場合に、事故再発防止メニューが利用できるものです。
「事故再発防止メニュー」には、消火器やスプリンクラーの設置、災害常備品の購入、避雷針の設置をはじめ、多くのメニューが存在します。

そして、これらのメニューの手配や費用の支払いといった一連の手続きを保険会社の専用デスクが行います。なお、金額の上限はありますが費用も保険会社が一定額を負担してくれます。
このように、災害リスクも事前に万全の準備をすることで回避および被害の最小化を図れます。

3.設備修繕のリスクヘッジ

この点については、以下2つのいずれかの方法を選択しましょう。

・物件の管理を委託している管理会社の管理メニューを利用する
これは毎月「修繕準備金」等の名目で一定額を管理会社に支払う、あるいは管理委託料を増額する代わりに、修繕が発生した際は管理会社の費用で同修繕を行うというメニューを利用する方法です。

修繕の有無に関わらず一定額を支払わなければなりませんが、突発的な大きな出費を避けることができます。言うなれば、掛け捨ての保険のようなイメージです。
メニューによっては管理会社が負担できる修繕費用に上限がある場合があり、それを超える分はオーナー負担となりますので事前に確認をしておきましょう。

・オーナー自身の資金管理で備える
これはオーナー自身で修繕に備えて賃料収入や本業の収入の一部を積み立てておくという方法です。具体的には、各設備の使用可能年数および交換時にかかる費用から逆算して、必要なキャッシュを予めプールしておくということです。
オーナー自身の経営スタイルに合わせて、修繕リスクについて管理会社に一定の保証をしてもらいたい場合は前者を、キャッシュの用途に融通を利かせた物件運用をしたい場合は後者を選択的に採用すべきといえます。

4.家賃滞納のリスクヘッジ

上述のように、家賃滞納は空室以上に厄介な問題に発展しうるリスクです。したがって、管理会社とも協力して万全な策を講じましょう。具体的なリスクヘッジ方法は、以下2つです。

・賃借人の家賃保証会社への加入を必須化する
これは家賃滞納が発生しない仕組みを構築するということで、これによって家賃滞納による賃料収入の逸失を根絶できるというメリットがあります。
一方、デメリットとして空室が埋まりにくくなるという点が挙げられます。なぜなら、家賃保証会社の加入費および保証料は賃借人の負担になるためです。

この費用負担を嫌がる賃借人は加入義務のない物件に入居する可能性が高くなるといえます。
空室を埋めるために家賃保証会社への加入を免除して家賃滞納を起こされるよりは、空室期間が多少長くなったとしても加入に係る費用を負担できるだけの経済的余裕のある人に借りていただく方がオーナーとしても安心でしょう。

・家賃滞納の対応に強い管理会社を選ぶ
これは管理会社の対応力で家賃滞納問題を解決する方法です。
管理会社によっては、自社で入居付けをした賃借人については家賃滞納があった場合でもオーナーには賃料相当額を送金するというメニューが存在します。
滞納者への督促などの回収力に長けた管理会社を選べば、オーナー側の家賃滞納リスクを軽減することができます。

この点については、管理会社の家賃滞納への対応力や管理メニューに鑑み、いずれの策で本リスクヘッジをして
いくのかオーナー自身で決定しましょう。

5.事件・事故のリスクヘッジ

事件・事故は一度発生してしまうと瞬間的に拡散され、物件への無形のダメージが著しく回復困難なリスクです。
これらに備える保険もありますが、まずは事件・事故が起きないようにするのが最善のリスクヘッジといえます。
具体的には、以下2つの方法が有効です。

・物件購入前に周辺の治安や嫌悪施設の有無を徹底的に調べる
例えば、過去に凶悪な犯罪や事件が起こっていないか、反社会的勢力の活動拠点がないか、飲み屋街や夜の街および貧困者が密集するエリアから離れているかといった懸念要素を確認しましょう。
場合によっては、自分の足で物件周辺を散策してみることも必要です。日中と夜間それぞれの街の雰囲気を感じて得た知見も投資判断にお
ける重要な判断材料の一つになります。

・賃借人の属性確認
賃借人がいる物件を購入する場合(オーナーチェンジ物件)は、現在住んでいる賃借人や入居申込者の職業や収入源といった個人属性に関わる事柄を事前に把握しておきましょう。

属性の悪い賃借人が入居している物件の購入は控え、購入後にそのような人が入居申し込みをしてきた場合は入居審査で落とすということによってリスクヘッジが可能です。

まとめ

以上にように、不動産投資においては各リスクに対応したリスクヘッジの方法が充実しており、事前にリスクを予見して回避することも十分に可能なのです。
本記事を契機に不動産投資のリスクについての不安を払拭していただき、不動産投資家としての第一歩を踏み出していただければ幸甚です。

カイロスマーケティングでは不動産投資のご相談を受け付けております。
投資に対してお持ちの不安や疑問を、私たちと一緒に解決していきましょう。

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