マンション投資は安定した収入が得られるというイメージがありますが、実際は長期的な投資です。このため長い目で見た綿密な計画が必要になるうえ、一時のメリットやお得感だけで動くと後々大きなトラブルに発展する可能性が高くなります。
投資先として新築マンションを選ぶ方は多いですが、新築マンションならではのさまざまなデメリットがあるということを知っておきましょう。新築マンションとは言え、その価値は最初だけで、いざ売るとなったときに困らないよう先にリスクを知っておくことが大切です。ここではメリットとあわせて、さまざまなデメリットをまとめてご紹介します。
新築ワンルームマンションに投資するメリットは?
規制や条例が厳しくなっている近年ですが、新築ワンルームマンションは活発的に開発が進められています。大きな理由のひとつが、都心への人口の流入です。特に東京都心は新入生や新社会人など、地方からの流入が定期的に見込めるので、ワンルームマンションの需要がなくなることはありません。昔と比べて流入は緩和傾向にありますが、地方と比べて競争力は高めです。
都心では細かなエリアごとに分けてブランド力を強調し、競争力をアップさせることができます。土地開発業者、いわゆるデベロッパーによるマンションの開発や供給が減少傾向にあるのも、競争力アップにつながる要因です。デベロッパー系のマンション開発や供給は減少傾向にありますが、頭金なしのフルローンで始められるメリットがあります。
新築ワンルームマンションに投資するデメリットは?
新築ワンルームマンションにはデメリットにあります。新築というプレミアム価格を享受できるのは最初の入居者のみで、それ以降の入居者に対しては中古扱いです。また、ローンが30年後に払い終わる場合、最終的に所有しているのは築30年の中古ワンルームマンションとなります。
新築ワンルームマンションというプレミアム価格を使えば、相場より高い賃料で設定できるでしょう。ただし入居者が去ったあとは、中古の家賃相場に合わせて賃料を下げなければなりません。
都心のワンルームマンションは需要も高いですが、供給数も多くなります。競争が激しいことから、必ずしも売れるとは限りません。また、新築ワンルームマンションが不動産マーケットに流通した瞬間、分譲時の70%程度の評価となるという点も大きなデメリットです。
節税効果も最初の数年だけ
マンションへの投資は事業のひとつです。企業でなく個人が投資しても事業のひとつとして数えられるので、マンション経営で得た収入は課税対象となります。収入は利益として申告しなければなりません。ただし、家賃収入をそのまま計上するのではなく、借入金利や建物の減価売却分を経費として差し引くことは可能で、これを節税対策として売りにしている業者もいます。
しかし実際に節税の恩恵を受けられるのは、設備を短期で経費にできる最初の数年間のみです。むしろ管理費や修繕積立金などのかかる経費のほうが大きくなるので、「長期にわたって節税対策ができる」とセールストークをしている業者には十分注意しましょう。
築浅であっても売却時は分譲時の70%に
都心のマンションは集中化の緩和が進んでいる現在でも一定の需要が見込めるもので、地方からの定期的な人口の流入先としてワンルームマンションが選ばれています。今後も需要がなくなることはないとされ、都心のマンション投資はメリットが大きいと言えるでしょう。
さらに新築になるとブランド力が高まり、高い賃料で設定しても一定数の購入希望者は見込めます。現在の新築マンションは法整備が整ってからの建物なので、そうした安心感もブランドとして込みで売ることが可能です。
ただし、いざ売却するとなったとき、新築で購入した築浅の物件でも価格は分譲時の70%程度。経済的に余裕がなく長期の運用が難しい場合、売るに売れない「手に余る物件」となってしまいます。
地方都市ではマンションの需要と供給のバランスが重要
都心と比べて地方都市のマンション価格は安めです。一見するとお買い得に見えますが、マンションの需要と供給のバランスを見誤ると失敗の原因となります。地方都市のマンションは確かにお買い得ではありますが、都心と比べると需要と供給は低め。条件がいい物件だからと言って必ずしも入居者が入るわけではありませんし、入居者が決まらないと利回りが低下してしまいます。
利回りは想定した賃料で入居者を得た時点で決定されるものです。
低下しないようにマンションの需要と供給のバランスがとれているかどうか、家賃相場や立地条件をきちんと調査しなければなりません。お買い得だからと言って安易に投資をすると、数ヶ月経っても空室で利益が得られず赤字という可能性もあるでしょう。